プライベートワイン会の頁に戻る


本日のワイン2(日本ワイン第1回)

時  平成25年12月25日(水)

会場  シュバリエ

メンバー 仮称ヘイル会9名

日本ワインとは

 日本で生産された葡萄により、日本で醸造されたワインで、外国で生産された葡萄やワインを日本で瓶詰めした

ような日本国産ワイン(法律で認められている表示)と区別するために、日本のワイン界で提唱された名称です。

日本全国では100以上の、九州には10以上の、日本ワインのワイナリーが存在しますが、本日の安心院スパークの他、熊本のデラウエア、都農のシャルドネアンフィルタード等がお勧めです。

日本ワインの特色

 新世紀になった頃から、日本において、外国種の葡萄栽培が始められ、若者たちが葡萄酒先進国の大学や醸造所

で葡萄栽培やワイン醸造を学び、各地に日本ワインを生産するワイナリーが出来、以後、ほんの一部ですが、ワイ

ン先進国のワインに勝るとも劣らないワインが出現し出しました。日本ワインは、軟水的な、繊細でまろやかな旨

みを持ったものが多く、日本食に合うものが多いと思います。ただ、各ワイナリーのワインの生産量が極めて少な

いので、美味しいものは、一部の愛好家しか味わえていないのが現状です。今日は、その一部を御紹介致します。

ワインリスト

安心院・(安心院)スパークリング2011

 産地・安心院(大分県) 醸造者・安心院葡萄種工房(安心院)

 葡萄 シャルドネ

 販売者資料 安心院で収穫されたシャルドネを100%利用したスパークリングワインで国内でも珍しいビン内2次発酵にて製造。酵母からの風味を引き出し、よりクリーミーな泡立ちになるようにビン内での発酵後、1年以上の瓶熟成をさせました。その後、デゴルジュマン(瓶の口部分に澱を集め、その部分を冷凍して抜き取る方法)で酵母を取り除き仕上げた辛口スパークリングワイン。

 提供者コメント 日本ワインコンクール2013のスパークリング部門最高金賞です。

丸藤・ルバイヤートシャルドネ(旧屋敷)2009

産地・旧屋敷(山梨県勝沼) 醸造者・丸藤葡萄種工業(勝沼)

葡萄 シャルドネ

販売者資料 伝統あるワイン産地山梨県勝沼の地で世界の銘醸地と肩を並べられるワインを造りたいとの思いから1993年、4枚の段々畑の石垣を崩し元の地なりの傾斜地にし、暗渠排水を設けた「旧屋敷」でシャルドネ種の栽培を始めました。彩果(4代目娘さんの名)農場のシャルドネも僅かにアサンブラージュ、シャルドネの品種の特徴を大切にしました。新樽を50%使用、上品で繊細な味わい、芳醇で熟成感のあるワインです。

提供者コメント 丸藤は、日本ワインのメッカ勝沼在の1890年(明治23年)創業の老舗です。3代目の大村春男氏は、1990年にカベルネソーヴィニヨンとシャルドネ種の垣根式栽培を開始し、地元のみならず全国のワイン醸造を志した若者を指導されて、校長先生みたいな人望があります。ワイナリーを訪れると、大村さん等スタッフが楽しく応対してくれます。メルローは日本各地で美味しく作られていますが、塩尻産の契約農家で作られた葡萄を用いた丸藤のルバイヤートメルロー2004年と2009年もの(塩尻産)は特級の出来で、かつ量産されていますので、お勧めです。

イケダ・グランキュべ甲州(菱山畑)2011

産地・菱山(山梨県勝沼) 醸造者・イケダワイナリー(勝沼)

 葡萄 甲州

販売者資料 樽の使い方では定評のある池田氏のフラグシップワインです。やや辛口。 1995年、某大手食品メーカーの国産ワイン部門撤退を受け、その免許、醸造器具等々を譲り受けるチャンスに恵まれ、勝沼町内の別中堅ワイナリーで醸造責任者をしていた池田俊和氏が『自分のワイナリーで自分のワインを造りたい』と、長年の夢であった独立を遂げました。 独立当初は、一人で切り盛りしておりましたが、現在では、カリフォルニアのリッジヴィンヤードやオーストラリアで海外研修を終えた東大農学部卒のご長男・池田秀俊氏も加わり、味わいにこだわったワイン造りをご家族でおこない、山梨県内の同業ワイナリーからも注目を集めています 

提供者コメント 「甲州」は、日本固有種で、栽培が容易なため、昔から勝沼で、生食葡萄の主力商品として栽培されてきました。「甲州」は、味も香りも薄く、糖度も低いので、ワインには向かないと言われています。ただ、勝沼の多くの農家は甲州しか作っていなかったので、零細農家救済策として、中央葡萄酒の三澤茂計氏や丸藤の大村春男氏等が、「甲州」で美味しいワインを作り、世界に啓蒙することに尽力されて、多くの「甲州ワイン」が作られ、一部の商品は国外で受賞したり、欧州や豪州のレストラン用に、少量ですが、輸出されています。

しかし、その多くは、決して美味しいとは思えません。その中で、格別美味しい「甲州ワイン」を作れている

のが東夢(もてなし=超コスパ)とイケダワイナリーです。日本一といっていい「甲州」ですが、他の白と異なって、あまり冷やさない方が風味が引き立ちます(良質なワインの証拠です)。

池田氏は、自分の畑を持たず、全て契約農家から入れた葡萄を用いて醸造されていますが、葡萄果実の一粒一

粒を選別し、殆ど圧搾をかけずに造る手法は、甲州に限らずカベルネソーヴィニヨンやシラーにおいても、他の大小のワイナリーの及ぶところがない程、高レベルのワイン作り手と思います。ハイコスパです。

Dタカヒコヨイチノボリキヨムラピノノアール2009(余市)

産地・余市(北海道) 醸造者・ドメーヌタカヒコ(余市)

葡萄 ピノノアール

販売者資料 樹齢27年のピノ・ノワールの樹が残る区画「キュムラ」。北海道のピノ・ノワールの歴史はこの畑から始まりました。キュムラ区画の葡萄のみを使用し、ブルゴーニュ地方で古くから行われている全房のまま自然に発酵を促す方法で醸しました。日本の旨味文化と世界のワイン文化が融合した複雑な香味を持つワインを醸したいとの想いで醸造した優しい口あたりのナチュラルなワイン。

提供者コメント 20以上ある日本のピノノアールを試飲しましたが、未だ合格水準に達したものは見当たりません。飲める程度のものは、ここを入れて3種(丹波・スズラン)位だと思います。ただ、ここのピノノアールは、日本の中では1頭抜きん出ているのと、日本のピノノアールのレベルを実感していただくために、思い切って提供することにしました。

思い切っての意味は、今後新ヴィンテージでさえ手に入る宛がないからです。

味は、今回の中で最低かもしれませんが、希少価値は一番なので、味わって見てください。

央・キュべ三澤インヌイ(明野)2009

産地・明野(山梨県) 醸造者・ミサワワイナリー(明野)

葡萄 カベルネソーヴィニヨン75メルロー15カベルネフラン10

販売者資料 三澤農場産のカベルネ、メルロー、カベルネフランを使い新樽100%で20カ月熟成させたもの、醸造長の三澤彩奈さんは「どうしても造ってみたかった『ムートン・ブレンド』です、でもプチヴェルドが入って無いんですけどね(笑)」って仰っていました。2009年より「生卵を流してもつぶれない位」繊細なポンプを導入、それまでのピジャージュ主体の撹拌からルモンタージュに切り替えたとのこと。 「タンニンの量ではなく質を重視しています。余韻の長さを感じて頂きたいです。」というコメントを頂いております。

デカンタージュすれば今飲んでも楽しめると思いますがさらに熟成させればもっともっと良くなるのは明

らか、「その時」が楽しみなワインであります。

提供者コメント 葡萄栽培、醸造責任者は、中央葡萄酒の三澤茂計社長の娘さんの彩奈氏で、本日出席のニコラさんのボルドー大学醸造学部の後輩です。

明野は、三澤茂計氏の働きかけで、山梨県が探索し、いくつかのワイナリーに与えた肥沃な赤土土壌地で、

西の山脈によりもたらされるフェーン現象により、日本一の日照時間が得られる、高原の傾斜地に在所する。その畑で、山梨、長野で、歴史的に最高の気象条件(夏の高温、秋の低温)が揃った2009に採取された

葡萄から、採算性を度外視して趣味的に作ったという2009三部作の一つ。生産量280本の1本です。

ということで、次回があるという保証がない特級ワインです。

今までは、カベルネソ〜ヴィニヨンは城の平、メルローは塩尻(高台桔梗が原や塩尻低地=メルローは日本

各地で美味しいワインに仕上がっています)が日本の代表的産地だったようですが、他のメーカーが明野で栽培された各種の葡萄によって2009に作ったワインはいずれも特級クラスなので、今後は、明野が、日本を代表する赤ワインの産地となると思います。

 

メルシャン桔梗ヶ原メルロー2002

産地・桔梗が原(長野県塩尻) 醸造者・シャトーメルシャン(勝沼)

葡萄 メルロー

販売者資料 1976年からメルローの植栽を始め、85年の初ヴィンテージ以来、日本最高のメルローワインとして評価されてきた「桔梗ヶ原メルロー」。契約栽培農家と共に培ってきた畑からのブドウと、これまで醸造面で積み重ねてきた技術の研鑽が結実した、洗練された深い味わいの赤ワインです。2002年は生育期を通して日照量、気温が高く、収穫期も雨が少なかったため、健全なブドウを収穫できました。また、この年、新たに木桶の発酵容器を導入し、温かみのある柔らかい原酒を得ることにより、スタイルに深みが増しました。パリの星つきレストラン「ル・サンク」オンメニューのワインです。

提供者コメント メルシャンは、日本で初めての民営のワイナリー(1877大日本山梨葡萄酒会社)を承継する会社で、1976桔梗が原でメルロー、1984城ヶ平でカベルネソーヴィニヨン、1990北信でシャルドネ、2003マリコで多種自己農園を開発し、海外でも多く受賞し、日本を代表する大手ワイナリーです。

 美味しい割には、日本のワインとしては高価格設定なので、今でも探せば、ヴィンテージによっては、手に入ります(2002は不可能です)。桔梗が原(メルシャン)のメルローは、やはり特級クラスと評価できる塩尻低地(丸藤)のメルローに比べると、軽やかで柔らかな渋みが入ります。

山梨アジロンスパーク(勝沼)2011
産地・勝沼(山梨県) 醸造者・山梨ワイン(クラムボンワイン)(勝沼)

葡萄 あじろんだっく

販売者資料 あじろんがついにスパークリングワインになりました!甘い芳香と濃厚な果実味、とても爽やかな泡が特徴的な自信作です!きれいなルビー色。木いちごや野イチゴのコンポート、イチゴシロップ、ザラメ、ボンボン飴のような香りが華やかです。口に含むと、まず爽やかな泡が口中に広がり、濃厚な甘みと果実味、適度な酸味がとても印象的です!渋みは感じられず、赤のスパークリングワインとしては、何処を探してもここにしかないオリジナルな味わいで、とても飲みやすい、甘口のスパークリングワインです!

提供者コメント 創業100周年の、中小醸造所や葡萄畑がひしめく勝沼のど真ん中にある老舗の作です。あじろん種は、日本では山梨の極一部の地区でしか栽培されていない、アメリカ原産の黒葡萄品種で、欧

州系のヴィティス・ヴィニフェラではなくヴィティス・ラブルスカに属する品種で、ワインには向かないと

されています。

ヨーロッパのワイン生産者が殊の外嫌う「Vins foxéeフォクセ」を発生する葡萄の種類ということですが、フォクセは狐の匂いではなくて、アメリカ産ウェルチの葡萄ジュースの匂いだそうです。

 山梨県でも、山梨日本ワインを表示することが出来る公式認定葡萄に入れられていません。昔のブルゴーニュのガメイ種みたいな扱いでしょうか。

 しかし、甘口ながら爽やかで美味しいスパークで、本来、甘口を好まないのに、個人的な好みのコレクションになってしまっている、番外の、お気に入りの一つです。ハイコスパで、手に入れやすい商品です。

 

予備ワインリスト

アルプスミュゼドゥヴァン(松本平)ブラッククイーン2006

長野県松本産の、日本固有品種ブラッククイーンで、当たり年の2006に、作られた、フルボデイ系の赤ワインです。

2006以外は、ハイコスパで手に入れやすい商品です。

胎内ツバイゲルトレーヴェ(胎内)2012

新潟県胎内産の、オーストリア葡萄品種ツヴァイゲルトレーヴェで作られた、ミディアム系の赤ワインです。

2013日本ワインコンクールで金賞(コストパホーマンス賞)受賞。

ワイナリー直販ではおひとり様1本限りの販売でした。