幽谷庵へ セキセイインコ   

セキセイインコ・ライラック

入門編 純正維持・改良挑戦編   

  コバルト・バイオレット編 綺麗な画像紹介編 品評会報告

 手乗り編 遊び(実験)挑戦交配編 リンク編

ライラックの色、模様・仮説検証編T=H22秋からH23春の出生組(22年組)

ライラック維持編

INDEX
<交配ペア群> <交配予備群>

 
(本HP掲載の写真は概ね逆光が多いので、実際より白っぽく写っています。)

<交配ペア群>

(22−1組)愛媛産パステルバイオレット(ライラックsp)♂21・12×愛媛産パステルライラックピンク♀22・1のペア

♂の右足指に異常がありましたが子育てに支障はありません。 ♂はパステル(薄灰)が強く出ている固体です 

 

総 評
この組み合わせは、業者さんから「濃いライラックを生む」という説明で譲り受けたのですが、
胴体色についてみれば、圧倒的にコバルトかバイオレットが多く、またグレーモウブもシナモンモウブも出ました。貴重なライラックはピンク系に出ました。
手羽の模様から見れば、いずれもパステルの強さが残っています。パステルによる手羽の色は濃色化というよりくすみ化と見るべきです。
即ち、胴体色の濃淡は、コア細胞における収縮ないし拡張の結果生じるのに対し、

手羽におけるパステルは本来黒色のシェル模様がメラニンの作用で淡色化したものに過ぎないので、
パステルが強い(淡色化が弱い)個体を用いて胴体や手羽の体色の濃色化を求めることは有り得ないということです。
また、モウブ化を避けるためには、ダーク因子が少ないブルー寄りのコバルトを用いるといいと思われますが、
赤みを求めるなら、フェオメラニンの分裂が起きているバイオレットがいいということになりますが、
ダーク因子が多い分、グレーモウブや濃パステルになる可能性も高くなるということが言えるようです。
シナモンモウブやグレーモウブに出たものが後で綺麗なライラックになることはありませんし、濃パステルが薄くなることもありません。
また、このパターンの交配による系統からは、殆ど♂のライラックを得ることは出来ないと言われています。

育 雛 奮 闘 記 22−1−1

22年12月中旬 第1回交配組み5羽全部巣立ちました(下掲写真)。

先巣立ちの、パステルライラックピンクの2羽の体色はモウブに近いというかシナモングレーに近いライラックです(通常赤みライラック)。
次いで巣立った、パステルバイオレットの2羽の体色はバイオレットとグレーモウブの中間みたいなバイオレットですが、シックで綺麗です。
末っ子の体色は光沢のあるパステルコバルトでとても綺麗です。(いずれも風切羽はシナモングレイ)。
いずれも、手羽のパステルは濃い系です。

 22−1−1の雛達  この中の1羽は、愛知から来たホワイトウイング系ライラックです。

                                             

                 先巣立ち4羽はそれぞれ軽いモウブ化現象が起こったと考えられますが、
グレーモウブ化は♂親が強いバイオレットを表している(ダーク因子の数値が高い)ことに原因が考えられます。。
この仮説を前提にすれば、とにかく手羽に関しては、パステルが強い(パステル化が弱
い=黒に近い)固体を用いない方がいいいうことになります。

      
                 

育 雛 奮 闘 記 22−1−2

23年2月中旬 5羽全て巣立ちしました(下掲写真)

今回は、シェルセルフコバルト1羽、ライラック系ブルー1羽、ライラック系バイオレット1羽、グレーモウブ1羽、パステルコバルト1羽、でした(下写真順)。
先の子供たちと合わせた計10羽の状況から判断すると、体色の♂コバルトは♀ライラックより優勢。
手羽については、パステルが強い親を使うと、やはり強いパステルがかかるという結果が認められます。
体色については、赤みを求めるひとつの方法としてバイオレットを用いることもありますが、モウブやコバルト系が多く生まれるという欠点が認められます。

なお、この中で、シェルセルフコバルトは綺麗です。

22−1-2の雛達
  

22−1次世代用選抜固体

 22−1−1と2の雛10羽から2羽(手前)だけ(準セルフピンクとパステル強ピンク=シナモンモウブ手前)選抜しました。

  

(22−2組)大阪産(愛知系)シェルセルフライラック♂3歳?×愛媛産パステルライラック♀21.11のペア

総 評

ここで、興味がわくのが、12羽の雛のうち、5羽がアルビノに出ているという事実です。
イノ遺伝子は伴性劣勢遺伝子であるとあるHPに書かれていましたが、そうすると単なる遺伝の作用とすれば、
両親のいずれかの先祖にアルビノが交配されていたことになりますが、
ファローをアルビノとは異なる遺伝子構造であるなどと誤解しているブリーダー(業者)の交配による結果である可能性が強いと思われます。
なお、この♀はこの♂とペアを組むまで少なくとも3ヶ月間はいずれの♂とも同居させていません。

私の仮説で説明すれば、以下の通りとなります。
ブルー+ライト因子1=ブルー系ライラック
ブルー+ライト因子1+フェオメラニン分裂藤色系ライラック
ブルー+ライト因子2+フェオメラニン分裂=ピンク系ライラック
ブルー+ライト因子3+フェオメラニン分裂=シナモンモウブ
(フェオメラニン分裂)+オイメラニン分裂=イノ分裂=アルビノ
従って、イノ遺伝子そのものの承継が為されたのではなく、
ライラックが有するフェオメラニン分裂という遺伝子状態にオイメラニンの分裂が加わってイノ状態が生まれたという仮説構成です。
 
なお、このパステルが強い系統に対しては、シェルセルフをかければ、パステルを消したセルフ系が生まれる可能性が強いことが検証されました。

育 雛 奮 闘 記 22−2−1

22.12.26 1番巣立ちはパステルライラックモウブ(手羽が濃グレー
2番巣立ちはパステルライラック(手羽がグレー)、
3番巣立ちはセルフライラックで綺麗です。(風きり羽はホワイトです)
23.1.4 4番巣立ちは準セルフライラック(風切り羽のみ薄グレイ)で綺麗です。

5番〜7番巣立ちは、赤目でアルビノ。

22−2−1の雛達

 
    

育 雛 奮 闘 記 22−2−2

23.3.上旬 1番巣立ちと5番巣立ちがシナモンモウブ。2番巣立ちと3番巣立ちがアルビノ。4番巣立ちが綺麗なライラック。
唯一のライラックは、
綺麗なシェルセルフです。胴体や手羽のライラックの色もしっかりしていますし、風きり羽も真っ白で、とても綺麗です。性別は不明です。
「シナモンモウブ」と
は赤みライラックの色がかすれた様な薄カーキベージュ様の色を表します。

22−2次世代用選抜固体

 22−2(−1と2)の選抜雛達(12羽から3羽だけ(準セルフピンクとシェルセルフとパステルピンク)選抜しました)

 
  

(22−3組)愛媛産パステルライラック♂21・12×茨城産パステルライラックピンク♀21・12のペア>

総 評

パステルライラックどうしの交配では、全てライラック(但し1羽は体色シナモン+手羽グレーモウブに近い)が生まれました。
ライラックの退色化(シナモンモウブ化)は起こっていませんが、やや濃色化
グレーモウブ化が見られました。
また、準セルフから濃パステルまで生まれ、胴体の色と手羽の色は必ずしも連動せずに遺伝することも検証されました。
それでも、体色のライラックの作出はライラックどうしが一番確率的に安定しているということが検証されています。
ライラックの交配で、絶対に避けるべきものは、体のどこかに黄色が入っている個体、体のこか
に黒色が入っている個体
なるべく避けるべきものは、手羽のパステルやシナモンが濃い個体、体色がグレーないしシナモンないし白色化している個体だと思います。
パステルを消す方法としては、相手をセルフ、シェルセルフまたはウイングを用いる方法がありますが、絶対ではありません。

 育 雛 奮 闘 記 22−3−1

23.3.中旬 3羽の雛が巣立ちました。1羽はセルフに近い準セルフライラックピンク(かすかに風きり羽がシナモングレイ)で、
後2羽はパステルライラックピンクで、胴体は綺麗なライラックですが、手羽のパステルグレイは消えず、一羽は完全なグレーウイングとなっています。
2羽は手羽のパステル(薄グレイとグレイ)が目立ち、♂親の手羽のパステルの遺伝子を受けたものと考えられます。

22−3−1の雛達

 

育 雛 奮 闘 記 22−3−2

23.5.上旬 一応3羽巣立ちました。1羽は綺麗な準セルフ級パステルピンクですが、1羽はパステルピンクで、1羽は殆どシナモンモウブです。

22−3−2の雛達

 

22−3次世代用選抜固体

 22−3(−1と2)の選抜雛達(パステルから濃パステルまでライラック5羽選抜しました)。

この手羽のパステルが強い系統どうしからは、パステルが目立つパステルは生まれますが、セルフは生まれにくいことが検証されました。

  

(22−4組)愛媛産パステルバイオレット(22−1と同じ)♂21・12×大阪産シェルセルフライラックピンク♀22・5のペア>


総 評
生き残った3羽はパステルコバルト、手羽の柄は母親似のスパングル風ながらいずれも父親譲りのやや強いパステル入り。
今回のパステル♂とシェルセルフ♀の交配では、22−2のシェルセルフ♂とパステル♀の交配と異なって、パステルがしっかりと現れました。
また、今期のパステルバイオレット(ライラックSP)♂(写真)とライラック♀(2組)の交配からは、全13羽の子の内、ライラックは2羽のみでした。

育 雛 奮 闘 記 22−4−1

23.6.中旬 3羽の雛が巣立ちました。

 3羽ともパステルコバルト
 

育 雛 奮 闘 記 22−4−2

(★23.6.下旬) 直ぐに、次の抱卵に入っています。ライラックは望めませんが、シェルセルフコバルトないしバイオレットも増やしたいので継続します。
(★23.7.中旬) 5〜6羽の雛が育っています。まだ赤子の状態ですので、色、模様は不明です。
(★23.8.上旬) 
7羽育っています。この中から、家内に頼まれて、家内の友達に手乗り用に一羽里子に出さなければなりません。
 
手乗り里子を選ぶために巣箱から出してみました。ブルー系2羽、ライラック4羽、極端に小さな7番目の雛もおそらくライラック。
  
(★23.8.中旬)
 、パステルコバルト1羽、パステルバイオレット1羽、パステルライラックピンク2羽、シェルセルフライラック2羽

里子に出した手乗り1羽の色模様不明(おそらくシェルセルフライラックピンク=連絡待ち)。

22−4次世代用選抜固体

 22−4(−1と2)の選抜雛達(パステル及びシェルセルフライラック5羽選抜しました)。

 

 

(22−5組)>ペア解消・バイオレット♂(ライラックSP)は里子に出ました。

(22−6組)愛媛産パステルライラック♂21・12(22−3と同じ)×愛媛産パステルライラックピンク♀22・1(22−1と同じ)のペア>

ライラック系は育雛率が低いようです。

育 雛 奮 闘 記 22−6−1

23年7月中旬 2羽巣立ちしました(下掲写真)

パステルライラック1羽、パステル藤紫系ライラック(腱ひらき障害)1羽。ライラックは父親の薄ブルー系ライラックの色を引いています。

2−6-1の雛

 

育 雛 奮 闘 記 22−6−2
(★23.7.下旬) 6−1が巣立つ前から抱卵に入ってました。夏入りですが、2回目の子育てを見守ります。
(★23.8.上旬)
 
雛が孵っていました。
(★23.8.中旬) 5羽の雛が孵っていました。両親から見て、パステルライラックには間違いないと思われます。
(★23.9.初旬) 2羽巣立ちしました。バイオレット系とブルー系のパステルライラックです。
一羽の頭部にさざなみ模様が入っていますので(両親にはない)、先祖にウイング系(保存会系)が混ざっていると思われます。
また、この系統(愛媛系)はパステルが強く、余り綺麗ではありません。
(★23.9.初旬)
 3
羽目が巣立ちしました。殆ど白化した個体です。シェルター行きです。

2−6-2の先巣立ち雛3羽
 

なお、家のインコルームがある部屋のクーラーは去年から故障したままですが、家全体を被っている夏蔦のおかげで、家中しのげています。

 <交配予備群>

ライラックSP(♂のみ)パステルコバルト・バイオレット群22・12と23・2

22−1の子供達                                  22ー4の子供達
22.12 パステルコバルト3羽、パステルバイオレット3羽、ブルー系ライラック1羽。     23.2 パステルコバルト3羽             

 

<パステルライラック♀予備群21・12〜22・5

   21・12 茨城産パステルライラック♀21・12〜22・5 3羽、愛媛産パステルライラックピンク♀  22.5 大阪産シェルセルフライラックピンク♀

 

<愛知産ウイングライラック♂22・12

セキセイインコはライラックだけという趣味ブリーダーの方の里親募集に応募して、分けて頂きました。
一般的に言われているウイングです。我が舎のライラックとはまたひと味異なる風貌です。
このウイングは(右写真奥)斑が多くライラック斑なので、ウイングであっても貴重な♂として、交配に用いる所存です。

 

<関東産・保存会純系ライラックA23・4♂♀選抜群

いずれも、綺麗に育った、上質(パステルが弱い・ややブルー系)の固体です。
6羽のパステルないしパステルピンクと2羽のウィングです。全部異系です。
日本高級セキセイ保存会純系・・先祖の色と模様が保証されていますので、純系同しでペアを組み綺麗な系統を維持したいと思います。

 

<関東産・保存会純系ライラックB23・6♂選抜群
主にパステルでウイングも混じっています

 

<関東産・保存会純系ライラックC23・6♀選抜群
主にウイングで1羽のパステルがいます。



<関東産・保存会純系ライラックD23・6♂♀選抜群
主にホワイトウイング系です。




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