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セキセイインコ・ライラック

入門編 純正維持・改良挑戦編   

  コバルト・バイオレット編 綺麗な画像紹介編 品評会報告

 手乗り編 遊び(実験)挑戦交配編 リンク編 

純正維持・改良挑戦編

ライラック編

INDEX

<趣味者の立場から見たライラックの取得方法>
<ライラック改良の二つの流れ>

<趣味者の立場から見たライラックの仲間の情報交換>
<我が舎におけるライラックの趣味者としての楽しみ方>

 <ライラック写真集>
 <モウブ写真集>

 

私が、50年ぶりに、セキセイインコに魅せられたのは、ライラックの存在を知ったことに尽きます。
その後、ライラックに限らず、綺麗な色や模様の個体が開発されている事が解ってきましたが、やはりライラックが一番です。
(掲載の写真は概ね逆光が多いので、実際より白っぽく写っています。)

<趣味者の立場から見たライラックの取得方法>

ライラックは、ペットショップや小鳥さんには、通常的には、置いてありません。たまにあっても、イエローフェイスやモウブないし薄バイオレットのようなものです。

★一番ポピュラーな方法は、
ネットオークション(有償)で趣味者ブリーダーが出されるのに入札する方法です。滅多に出ませんが、必ず出てくるもので、綺麗なものが出ます。
当HPでリンクしている、日本高級セキセイ保存会関係のブリーダーさんから高品質の個体が時折出されています。
まれに、他のブリーダーさんからも出されますが、質にばらつきがあります。。

★次に、やはりネットで趣味者ブリーダーが出される
里親募集(無償)に応募する方法です。結構、質のいいものも出されますが、やはりばらつきがあります。
当HPでリンクしている、ファームKTSさんなども、良質の個体の里親募集をコンスタンスにされています(セキセイに限りません)。
オークションでの取得は低価格であり、里親募集での取得は事実上実費の負担で取得することが出来ます。
その他の多くのHPにおける里親募集では、皆さんが使われている言葉による説明の概念は必ずしも統一されていないので(間違いという意味ではなく)、例えば、
出品者や掲載者によってはライラックの名でイエローフェイスやシナモンモウブやグレーモウブを出されることもあり、注意する必要があります。
特に、個体の表現形に現れていない♀や性別が判明しない若雛に、ライラックSP(スプリット)(伴性遺伝)やファローSP(劣勢遺伝)などと
表示しているところは信用出来ません。伴性遺伝は♂X(表現)X(非表現)のみに引き継がれるので、♀X(表現)が異なればY(非表現)に
ライラック等の遺伝子が無いし劣勢因子は相手共に優性遺伝子が無い場合に限るからです(これらの交配からはファローライラックなど生まれてきません)。

また、親の欠点(模様や色)は次の代に出やすいので、子をとる目的なら、親の写真や素性をきちんと確かめる必要がありますが、
、正しい遺伝の知識を持ち、かつ正直であるという、。信用ある所から入れるのが一番です。
★あとは、HPなどの情報を頼りに、趣味者ブリーダーに直接かけあって、自慢の個体の子供をお願いすることも可能です。特に、個人的人間関係が大事です。
この方法が一番のお勧めです。日本高級セキセイ保存会には上質の個体(パステルが薄くて綺麗)が保存されています。

★その他、高級鳥専門の看板を掲げられている
業者さんもおられますが、必ずしも一般の小鳥屋さんのように希望したものが容易に手に入るわけではないようです。
特にライラックやその他の高級鳥は、その状態の維持に難しいところがあり、良いものが生まれる割合は必ずしも多くありません。
従って、提供される個体の質には大きなばらつきが見られますので、自分で判断する目をやしなうことが必要です
(殆ど、外れたものを販売している場合が多いようです)。その為には、多くの個体を実際に見て、本当によいものの基準を知っておくことが大事です。

同じライラックでも、シナモンモウブ的な色(黄色頭に多い)もあれば、パステルといってもかなり手羽にシナモンやグレーが強くかかったものまでが提供されています。
SPはあくまでSPであってライラックそのものではありません。また♀系のライラックSPは有り得ません。
説明書きで綺麗などと記載されていても、手羽や風きり羽根に薄グレー(パステル)が多くかかっているものが少なくなく、
これらは綺麗な個体と並べて比較すれば、はっきりと分かりますが、決して綺麗ではありません。
♀や性別が判明しない雛に、ライラックSPなどと表示されていても、♀には有り得ないし、雛が♀(多くが♀)ならやはり有り得ません。
従って、♀や雛にそして♀親にのみ含まれる因子の子について、・・SPや・・期待等と表示しているサイトにおける、
遺伝に関係する品質表示は、全て信用出来ないということになります。


★いずれの方法においても、ライラック自体が、
近親交配が重ねられている場合が多く、遺伝的に免疫力が弱い個体が少なくないので、
病気にかかったり、
突然死による淘汰の可能性が、原種系より多いことを覚悟することも必要です。しかし、滅多に落鳥しないものです。
NEWS近いうちに、法改正により、インタ-ネットによるペット販売が前面禁止になるそうです◎ペットのネット取引も制限へ
SILK BIRD WORLD里子なら問題ないと思われますが、NET販売業者さんにとっては、大きな痛手となりそうです
(店頭販売なら問題ありません)。

いずれにしても、ライラックの子供をとるためなら、出来るだけ綺麗な(パステルが弱い)ライラックをペアで取得されるのが安心です。
バイオレットやモウブそしてパステルが強い系統を交配すると、いろんなものが生まれてきますので、一般の趣味者にとってはスペース上の問題が生じてしまいます。

ただ、そういう個体は、誰にとっても貴重で、手に入れにくいので、最初は、表面に現れていないが遺伝子を内包したSP♂やモウブから始めることも一つの方法です。

また高級セキセイ保存会では、赤見が入ったものを「ライラック」と呼ばれていますが、
このHPでは赤見が入ったものを「ライラックピンク」と表示し、ブルー寄りのものを「ブルー系ライラック」と表示し、中間で濃色のものを「ライラック=藤紫色系」と表示しています。

なお、一部において、ライラックの交配結果に安定性がないと言う人もいますが、それは
ライト因子がコア(雲)細胞を膨張化させる方向にあって色が薄くなり易い(モウブ化=退色化という人もいます))という性質から、
ただ濃色化させるという意図で、逆の構造を持つ、ダーク因子がコア(雲)細胞を凝縮膨張化させる方向にあるバイオレット系(ダーク因子が強い)を交配したり、
もう一つの重要な要素である、メラニンの作用、すなわちオイメラニンの分裂によるパステル(薄グレーモウブ)化やフェオメラニンの分裂によるシナモン化を考慮しなかったりして、
各因子の行過ぎによるモウブ化や各メラニンの作用により、ライラックでない個体あるいは綺麗でないライラック系の個体が生じてしまうことに原因があると考えられます。
この適切な対処とは、
出来るだけ(絶対に出ないというわけではありません)パステルが強い個体(綺麗でない)を交配親に使わないこと等が考えられます。
また、
白色化が強いものも、部分的にイノ分裂(オイメラニン分裂+フェオメラニン分裂)を起こしてしまっているわけですから、
そこに色、模様が回復する可能性が低いと思われますので、限られたスペースの中では、
出来るだけ交配親に使わないほうがいいと思います。
綺麗なライラックどうしを交配したら、大半が綺麗なライラックが生まれることには間違いありません。

<ライラック改良の二つの思考>

セキセイインコの改良・保存に取り組んでいると見られる世界において、ライラックの改良について二つの方法が見て取れます。
一つは、パステルライラックにウイング系を交配して、手羽のパステルを薄く⇒白くしようとする方向で、主に手羽模様にこだわる方向です。
一つは、パステルライラックにパステルバイオレット♂を交配して、ライラックに赤みを乗せようとする方向で、主に胴体色にこだわる方向です。
前方では、うまく行けば、ライラックのパステル(薄灰)を消して、垢抜けした綺麗な手羽模様を得る事が出来ますが、白化(ウイング化)したものが多く出る欠点があります。
後方では、うまく行けば、赤みのある胴体色を得る事が出来ますが、パステル(薄灰)が濃度化したものやグレーモウブが多く出る欠点があります。

私は、パステルライラックやパステルバイオレットにシェルセルフライラックを交配してみましたが、双方の長所と欠点が出ました。
理想的なペアは♂がライラックピンクないしライラック(藤紫)で♀が同じかライラック(ブルー〜ピンク)です。
今後、胴体色は赤みを有し、手羽模様からは薄灰を消した、双方の長所のみを残せる交配を目指したいと思います。


<趣味者の立場から見たライラックの仲間の情報交換>

ライラックのペアを取得すれば、否応なしに、子供達が増えてきます。これらを里子に出したりネットオークションに出せば、
同好の志との
コミュニュケーションが始まります(オークションに出す場合には、所轄官庁に届けを出す必要があります)。

<我が舎におけるライラックの趣味者としての楽しみ方>

最終目的は、綺麗で、安定した、丈夫なライラックの集団を作ることです。
ひとつは、保存会において、長年の経験と知識の積み重ねに基づいた、純系ライラックどうしのみを交配して、
保存会純系の確保、保存、改良を試みること。
ひとつは、各地から集めたライラックの良系の交配を積み重ねて、
綺麗で私好みの純系を作出、保存、改良を試みること。
この
二つの系統を、混合することなく(♂♀の片方が余剰した場合は別)、別々に改良、保存して行こうと思っています。
なお、我が舎の保存会系はブルー系が多くかつウイングの影響が認められ、各地収集系はパステルピンク系が多い傾向にあります。

私が理解している色や柄についての概念設定ランク付けは→
そこでは、まず保存会における遺伝形質の観点から定められた概念定義を表示し、
更に現在の
趣味者から見て分かり易い市販の趣味本に記載されている
概念定義について言及します。

★趣味者にとって大事なのは、
理屈ではなく結果ですから、具体的な交配例を開示して、それぞれの方が自分で判断出来るようにしながら、
私ながらの仮説と検証の結果を記録したいと思います。
具体的な繁殖例は→

★そのうちに、多くの趣味者が自由にかつ普遍的に綺麗なライラックを楽しめる様に、増やして里子に出そうと思います
=その前に、配送方法を覚えなければなりません(西濃・ゆうパック・航空便)?が、今のところ手が回りませんので、当面のあいだは、取りに来られる方に限定されます。


<ライラック写真集>

左は愛媛産パステルライラックで、 中は愛媛産パステルバイオレットで、右は福岡産シェルセルフライラックです。

                                                                        

左奥は愛知産ウィングライラックで、左中と左手前は福岡産パステルライラックで右は福岡産パステルライラックピンクです。
右のパステルライラックピンクは、シナモンモウブ一歩手前で、殆ど青みがありません。

     

左右共に福岡産パステルライラックです。右は実際には準セルフピンク系です。

  

福岡産パステルライラックの兄弟達です。体色はピンク系からブルー系まで、手羽はセルフ級からモウブに近いパステルまで。、

  

福岡産パステルコバルトとパステルバイオレットの兄弟達です。

 

茨城産・愛媛産のパステルライラック♀達と大阪産シェルセルフライラック♀です。
愛媛産等は、日本高級セキセイ保存会の純系とは異なる系統で、保存会純系ではありません。
保存会系は一般に明るく綺麗な色調ですが、愛媛系はパステルが強くくすんだ色調をもつ傾向があります。

 

日本高級セキセイ保存会純系のパステルライラックないしパステルライラックブルー系達(異系)です。
まだ、性別不明ですが、皆垢抜けして綺麗です。
その原因は、保存会ではパステルとウイングを交配しているということで、パステルの再淡化(白化)現象が起きているものと思われます。
淡化(パステル)=黒シェル模様が、薄灰ないし薄シナモン模様に変化すること(したもの)。
パステルはオパーリン模様から淡化したのに対し、ウイングはノーマル模様から淡化したもの、という違いがあります。

従って、パステルに出た個体でも、頭に模様が残るもの(ウイングの特徴)が多いようです。

 

<モウブ写真集>

左の群はシナモンモウブ達で右の群はグレーモウブ達です。  ライラックを求める際の参考にしてください。
シナモンモウブはパステルライラックピンクと紙一重の差で、グレーモウブはパステルブルーと紙一重です。

時々、このてのものが、「ライラック」として出品、販売されており、色に綺麗感はありませんが、雑色、模様が入っていない分ましなほうかも知れません。
モウブ達は、遺伝子的にはライラックを持っていますが、鑑賞の対象としては決してライラックとは言えません。

(ライラック)シナモンモウブ達(ライラックピンクと紙一重)  (ライラック)グレーモウブ達(ライラックブルーと紙一重)

 

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