幽谷庵へ 私遊ワイン  
日本ワイン  「日本ワインとの出会い」 日本ワイン

INDEX
私と日本ワインの出会い。
日本のワイナリーや日本ワインの実情


日本ワイン・TOP 私遊ワイン 推奨ワイン 昨日のワイン在庫ワイン 

私遊流★評価表各ワイン会参加報告 勝沼に行って来ました山梨ワイン美食美飲塾 明野に行って来ました 

ワイン会 お勧めデイリーワイン 福岡日本ワインバル

 

私と日本ワインの出会い。


今から、40数年前、修習生であった私は、実務修習地が甲府となりました。
今考えれば、もったいない時代を過ごしたような気がします。

甲府盆地は、日本でのワイン作りが最初に大規模に始められた所だったのです。
当時、サドヤというのが有名で、奮発して1本買って飲んで見ましたが、美味しいとは思いませんでした。
注・サドヤは当時からフランス種の葡萄を自家栽培してワインを作っていました。
今思うに、カベルネソービニヨンの若いワインだったと思います。
友達と、1升瓶2千円の赤ワインを一晩で飲んで、3日間2日酔いが治らなかった記憶があります。
当時、日本のワインは、赤はまあまあ飲めるけど、白は味が無くマズイなと感じていました。
原材料は、地元産の葡萄を使うという当たり前の発想ですが、
何故、甲州みたいな美味しくない(味が薄い)材料を使うのかなという疑問を持ちました。
ワイン用には、甘いのはダメで、薄い味のが向いているのかなと思いました。

しかし、今思うに、糖分が転化してアルコールになるし、味や香りを楽しむものだから、
やはり、個性的な風味が強い葡萄の方がいいのではないかと思います。



     私が、最初に、ワインに目覚めたのは、今から約40年前、20代前半の修習生であった時代に、
成城に仮住まいをしていた友人に飲ませていただいた、馬車の絵柄のラベルがついたドイツの白ワインでした。
田舎者の私でしたが、そのマスカットの香りがするほのかな甘い飲み物に、この世には、かくも美味しいものがあったのかと感心してしまいました。

記憶では、ホッホハイマーのQBAないしプレディカートのキャビネットあたりだと思います。
ビンの色はグリーン(モーデルワインの瓶)だった記憶ですが、
ホッホハイマーはラインガウなので茶色だったはずです。きっとマスカットの印象が瓶の色にまで影響したのかもしれません。

その後、ドイツ白ワインを、飲み続けました(成城には石井という輸入ワインを販売している店舗がありました)。
最高級のトロッケンベーレンアウスレーゼやアイスバインなども試しましたが、まるではちみつみたいで、
食事にはQBAかキャビネットが最適で、シュペートレーゼ以上は、単独で飲むものでした。

その友人とは、食道楽(安くて美味しい店が条件)をし続け、1回の食事で、ワイン3本をこぞって飲むという状態でした。
そのうち、白ワインは、体が受け付けなくなって、フランスの赤ワインに移行しました。
但し、貧乏な青年達でしたので、ボジョレー(ガメィ)やブルゴーニュ(ピノノアール)あたりの、若い、従って安価に飲めるインが中心でした。
ボルドー(カベルネソービニヨン+α)は、渋み自体は好きでしたが(今でも好きです)、あまり美味しいとは思われませんでした。
サンテミリオン等のボルドー右岸のメルロー主体のワインは美味しいと思いました。
原因は、ボルドー左岸の主原料のカベルネソービニヨンは長く寝かせて初めて美味しくなるという性質であったからだということを、最近知りました。


ワインは、赤道直下を通過してくるため、時折変質しているものがあると聞いていました。
偶々、とあるホテルで、おかしい味のワインに出くわした時に、取替を依頼すると、すぐに取り替えてくれました。本当なんだと思いました。
また一度奮発してデパートで超高価な超年代物のフランスワインを買って飲んだところ、まずかったことがあり、
赤ワインもあまり古いとダメだと思いましたが、今考えると、メルロー等の保存期間が過ぎたものか、ブショネだっかかも知れません。


とにかく、当時は、ドイツの白やフランスやイタリアの赤に比べ、日本のワインは美味しくないという印象がありました。



その後、16年間過ごした東京(内1年間は甲府)を離れ、九州に帰った私は、
日本酒(北陸や東北の寒冷地のもの、たどり着いたのは土佐の「土佐鶴本醸辛口」ですが)、
ビール(鮮度が勝負、メーカーではない)、
球磨焼酎(米ー樽繊月)、
薩摩焼酎(芋ー村尾、伊佐美、甑州その他)、
等の順で、楽しんでいました。特に芋焼酎は九州でないと、いいものは手に入らないなどと満足していました。

最近、縁あって、熊本ワインというのを飲む機会がありました。デラウエアやシャルドネの白でした。赤はイマイチレベルでした。
カルチャーショックというものでしょうか、これがとても美味しかったのです。
熊本ワインは「菊鹿」の葡萄で日本全国区になったようですが、個人的には、熊本レーベルのワインが安くて美味しいと思いました。

この出来事が、私が日本ワインを見直し、世に伝えるべく、本HPを立ち上げるきっかけとなったわけです。
このあたりで、ページを変えて、本論に移ろうと思います。



日本のワイナリーや日本ワインの実情



日本には、今、100以上のワイナリーがあります。しかし、美味しいと思われるワインを作っているのは一握りのワイナリーです。
しかも、規模が小さく、生産量が少ないので、一般の酒屋さんでは、殆ど手に入りません。
特定のワイナリーと提携している一部の酒屋さんがワイナリーが売り出すのを、毎日ネットで見張って、発売即購入しないと、手に入りません。

一握りの美味しいワインは、外国産に比べて割安だと思います(外国の特級品はとてつもなく高価です。
しかし、美味しくないと思われるワインには、なぜこの価格をという価格を付けたものも少なくありません。
地方のワイナリーには、それぞれファンが付いているからだと思われますが、早く美味しいワインを作るように努力をお願いしたいところです。

日本はワインの歴史が浅く、気候風土も先進地であるフランスやドイツと異なります。
しかし、日本の気候風土はフランス等のぶどう栽培には向いていないというのは、園芸を知らない者の発想です。
植物は、本来は、乾燥した土壌を好むものではなく、水と太陽は必需品です。
特に、新しい空気を好みますし、じめじめした土壌では雑菌が繁殖しやすいので、これらを解決すれば良く、
多水がいけないという理由は、多湿による菌の繁殖と、ミネラル等肥料分の喪失特に糖度の低下ということにありますから、
これらを解決すれば良いのです。
肥沃でしかし水はけのよい従って糖度を高める傾斜地など、日本にはいくらでもあります。

日本のワイナリーや葡萄農家も2代目、3代目となり、日本人特有のチャレンジ精神が、日本のワインを世界レベルに押し上げてしまっています。
20年位前から、日本各地で、主にフランスのぶどう品種を入れ、土壌を改良し、ぶどうを育て、
日本人特有の優秀な思考、我慢強さ、工夫する技術で、とても美味しいワインができてしまっているようです。

調べると、日本各地にワイナリーが、数多く(100以上・九州でも10以上)存在し、多くがフランス種のぶどうの種類でのぶどう畑を持ったり契約農家と提携しています。
蘭でも、焼酎でも、同じですが、何よりも、現地に居るということが最大の強みであり、楽しみが倍増するというものです。
輸入されてくるものは、優秀なものは、多くの生産量のほんの一部であり、しかも高価になってしまいます。
本当にいいものは、当地にいなければ手に入らない、というのが経験則です。

試飲した結果、カベルネソービニヨン、メルロー、プティヴェルド、シャルドネ、甲州の一部では、美味しいものに出会いました。
ピノノアール、シラー、マスカットベリーA、甲州の多くは殆ど水準に達していません。
特に、ピノノアールは、ブルゴーニュもの(特にプルミエクリュ以上のもの)が突出して美味しいだけに、太刀打ちできていません。
ブルゴーニュの土壌はおそらく硬質系で、普遍的な日本の土壌と異なるからではないかと思慮されます。
但し、山口等の中国地方にはアルカリが強い土壌があるようですので(カベルネ、メルロー等は美味しくない)、可能性が無いわけではないと思われます。
私の好みは、産地を問わず、カベルネソーヴィニヨン、プティヴェルド、シラーが第1群、次いで、メルローというところです。特にカベルネを集収、保存します。

人気のあるものは、売り切れが多く、集めるのも大変ですが、
ネット時代が、この楽しみを可能にしています



食卓上のあじろんスパークです。